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先日、東京ステーションギャラリーで開催中の
「テレンス・コンラン展:モダンブリテンをデザインする」に、友人と出かけてきました。

コンランのセレクトショップは、学生時代からの憧れ。
シンプルで、軽やかで、どこか遊び心があって、日常にすっとなじむデザイン。
その世界にふれるたびに、
「自分の部屋をこんなふうにできたら…」とワクワクしたものでした。

今回の展覧会では、そんなコンランのプロダクトや空間デザインだけでなく、
“暮らし方そのものがデザイン”であるという、深いメッセージがこめられていました。

たとえば、彼のこんな言葉

「どのように作られるか分かっていないと、正しいデザインはできない。」

週末にスケッチを描き、月曜に工房で試作。
頭の中だけではなく、自分の手で試しながらかたちにしていく
そんな「ものづくりの原点」を大切にする姿勢に、共感しかありませんでした。

そして、今回もっとも心を奪われたのは、
田舎の家での、彼の静かな暮らし方でした。

自然の中で過ごし、野菜を育て、日々の生活を丁寧に味わうこと。
それは私にとって、まさに憧れであり、自分のルーツでもあるのです。

私が生まれ育った家には畑があって、祖母が育てた野菜を食べて育ちました。
今はその畑で、母が野菜や花を育てています。
母の野菜は、近所の農家さんのものよりずっと美味しくて、
「いつかその秘訣を教わりたいな」と、ずっと思っていたのです。

展覧会からの帰り道、ふと、決めました。

「母が元気なうちに、弟子入りをしよう」

野菜づくりの技も、暮らしの知恵も、ちゃんと引き継ぎたい。
そんな気持ちが、すっと湧いてきたのです。

「デザインには、暮らしを変える力がある」

それは、ただ物の形や色を決めることではなく、
日々の質を高め、喜びを見つけるためのアプローチなのだと、
今回の展覧会は、改めて教えてくれました。

私たちの身の回りにあるすべてが、デザインである。
暮らしの中に目を向ければ、そこに豊かさを見出すヒントがある。
そんな気づきをくれる、とても素敵な展示でした。

テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする
2025年1月5日(日)まで、東京ステーションギャラリーにて開催中です。
よろしければ、ぜひ。

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